こじらせているOLの毎日

仕事して映画観て二次元に恋をして26歳になった。

忘年会は美味しいものを食べるとこ

忘年会という名の飲み会が嫌いだ。次に歓迎会、次に決起会、次に送迎会。大人数での飲み会は全部嫌いだ。その中でも忘年会は群を抜いている。ダントツで嫌い。通常の飲み会がエッフェル塔ならば、ヒマラヤ山脈くらいの差がある。

上司のどうでもいい話に相槌を打つのはいつもの飲み会と変わらないが、忘年会は何してもいいというおっさんがそこら中に溢れ出す。気分を良くしたおじさんがいきなり始めるあーん攻撃はまだいい。今ハマってるゲームのイケメンキャラに置き換えて美味しく頂く。ただ服を脱ぐのは控えて欲しい。ダイレクトに視界に入ってきて気分最悪食事の味にまで影響が出る。去年見た白黒のバイカラー胸毛には殺意が湧いた。DNAで御洒落してんじゃねぇよ。忘年会を何でも許されるステージと勘違いしている人が多すぎる。

美味い食べ物を目の前にして働かなければならないのが下っ端の宿命だ。皆さんの飲み物の状況確認、鍋の配分等々。大忙しになる筈の下っ端の私は料理を目の前に出されると料理しか見えなくなるため、動けなくなる。飯を目の前に席が立てるか。各テーブルに行き渡ったのを確認した途端料理しか見えなくなる。周りシャットアウト。誰もいないも同然。私の神経が舌に集中されてる一方で先輩は神経を部屋中に散布させてすげー働いてる。赤外線センサーでも起動させてんのか酒が無くなった場所がわかってる。グラスの中透け透けメガネみたいなのつけてるのか。美味い食べ物が手を伸ばした先にある状況で出来立てを食べずに周囲にある空いたグラスを掻き集めている。先輩、それは食べられないよーと思いながら私は出来立ての温かい食べ物にがっつく。

千手観音ばりに働く先輩が視界にちらついたとき、たまに下っ端の仕事を思い出す。でも千手観音の仕事が早すぎて私の手は二本余って結局箸と小皿握っちゃってる。そりゃそうだわ、千本あったら足りますわ。だから私は今年の忘年会も自分の利益を追求するため、目の前の食事に集中します。